Tatoeブログ

自分が人間じゃなかったら何だったのだろうか?をたくさん紹介していくブログ

【Tatoe15】私は柴犬だ。

投稿者:中村虎正さん 23歳

タイトル:準備犬

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ワン

もし彼が人間じゃなかったら、なんで柴犬なのか?

大学に進学するため地元山口を離れ、福岡へ引っ越してきた彼は、実家で一緒に住んでいた柴犬と離れ離れになる。なかなか実家へ帰ることができない彼が帰省するとこの柴犬はいつも嬉しそうに彼を迎え入れる。この柴犬は実家でいつもと変わらない生活を送っている。彼はこの柴犬と会うといつも何かを考えさせられ、気持ちを整理することができる。彼が実家を出るとき、この柴犬はいつも見送りに来る。彼が振り返ると「準備はできているか?おれはここを守っててやるから、また自由にやって来いよ。」とこの柴犬が言っているように感じられる。この柴犬のことを考えると、実家の様子を思い浮かべることができる。彼がいくら変化の多い場所で過ごしていたとしても地元の風景は変わらずそこにある、いえば不変的な存在。この犬は首につながれたひもを振りほどいて何度も外へ脱走したことがある。結局は実家に戻ってきて、首輪を着けることになるのだが。10年後この柴犬は死ぬ。死ぬとき「もっと外へ出たかった。」と満足せずに死ぬ。しかし、「俺は地元を、この実家を守ってやったぞ。」という満足感も持っている。そんな思いと共に死んでいく。この柴犬の死に際を見る彼は悲しい気持ちになる。それと同時に変わらない地元、実家を守ろうとする気持ちが芽生える。

 

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